最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1984 決定
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
被告本人の上告趣意について。
被告人が第一審相被告人Aと共謀して判示の如く強盗をなしたとする第一審判決
の事実認定は、判決に挙示されている証拠によれば、これを肯認するに難くないの
である。また原審は、本件にあらわれた一切の証拠を衡量した結果「被告人がAと
共謀の上第一審判決判示強盗行為を共同して行い、被告人において自分の分担した
行為については勿論、右相被告人の判示暴行行為についても認識していたこと」を
認め得るものとして、第一審判決の事実認定を是認したのである。この原判決にも
何等違法の点あるを認め得ない。所論は畢竟事実審がその裁量権の範囲内で適法に
なした事実の認定を非難するにとどまり、刑訴四〇五条所定の上告適法の理由とな
らない。
弁護人森田久造の上告趣意について。
被告人の自白を共同被告人の供述を以て補強し、これを証拠として有罪とし刑罪
を科しても、憲法三八条三項に違反するものでないと解すべきことは当裁判所大法
廷の判例とするところである。のみならず第一審判決は、所論の如く被告人の自白
及び共同被告人Aの供述のみを証拠として事実認定をなしたものではない。そして、
第一審判決挙示の証拠を綜合すれば、その事実認定が肯認され、また、第一審判決
の事実認定を是認した原判決にも何等違法の点なきことは、被告本人の上告趣意に
つき説示した通りである。所論は畢竟唯、事実審がその裁量権の範囲内で適法にな
した事実の認定を非難するに過ぎないものであり、刑訴四〇五条所定の上告適法の
理由に該当しない。しかも本件は同四一一条により職権を発動すべき場合とも認め
られない。
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よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号に従い主文の通り決定する。
この決定は裁判官全員の一致した意見である。
昭和二五年一二月六日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岩 松 三 郎
裁判官 澤 田 竹 治 郎
裁判官 齋 藤 悠 輔
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